この季節を待っていた!

野鳥、虫などの生き物を。タカの渡りが好きです。岐阜県とか愛知県とか。


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【2024年4月更新】勅使池(愛知県豊明市)で観察したムジセッカ(2023年12月末~2024年3月)

年末休みで時間がとれたので、今シーズン回れていない場所を色々回っていた時のこと。カメラを持って池を散歩していて、通りかかった歩道横の藪の中から「チュッ」っとウグイスが舌打ちしたような声。この声は数年前に別の場所で同じ鳥を見つけた時に聞いていたのですぐにピンと来た。ムジセッカだ。

潜行性の強い鳥だが、初発見時のこの時は幸運で声が聞こえてからすぐに見上げる高さの木の枝に現れた。一声聞いた声で確信はしたが、目に入った姿も茶色味が強くウグイスではないことがしっかりわかった。


↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2023年12月30日

せわしないこの鳥にしては珍しく、数秒間日向ぼっこのようにこの枝に静止した後、藪の中へ。待っていると目の前にも出てきてくれた。

↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2023年12月30日

枝の影が邪魔な写真だけど、しっかりピントの合った写真が撮れて一安心。証拠は押さえたし、越冬すると踏んでまだチャンスはあるだろうとあまり粘らずに退散。

証拠写真は押さえることができたが、せっかく通えて近距離で見られる場所でムジセッカを見つけたので粘って良い写真を撮っておきたいと、正月休みのうちに何度か見に行った。すると、次に見に行った日以降、最初に見た日のイメージから外れた場所にいたのが不思議なくらい、ほとんどの時間東屋の周りの芦原に潜んでいた。

数年前に別の場所でムジセッカを見つけた時は、川の上に張り出した木の枝や草の中に潜んでいて、後で調べるとそのような場所がムジセッカが好む典型的な環境らしいことがわかった。今回の葦原も地面が湿っている場所だったので、ほとんどの時間を葦原の中で過ごしていたのには納得。また、数年前は直線距離で約200m、幅2mほどの約400m2の川岸を主な行動範囲としていて、今回は約1000m2の葦原を主な行動範囲としていた。越冬期のムジセッカの行動範囲はそこまで広くはなさそうだ。


ムジセッカがいたのはこんな場所。

↑ 最初に見つけた場所。芦原や水辺の灌木などにいるイメージだったので、こんな藪の中にいるのは意外だった。
↑ ムジセッカが主に利用していた芦原。左奥が最初に見つけた藪。この芦原と藪以外に飛んでいくことはなかった。
↑ 観察する時はここから。ムジセッカは芦原の中や、中央に見える伐採された木の中で餌を探していた。
↑ 東屋の下の葦が生えていない場所に降りて採餌している姿も何度か見た。
↑ 以前別の場所でムジセッカを見つけた環境。対岸の川の上に張り出した草や木の中をちょろちょろしていた。水辺に降りて採餌することも多かった。

この場所に来るとすぐに声が聞こえ、存在はわかるのだが、写真を撮るのは至難の業。芦原をちょろちょろ動いているのもすぐにわかるので、双眼鏡で観察する分には観察しやすいが、おなじところに2秒と留まっていないし、そもそも全身が見える場所になかなか出てこない。必死にカメラで追いかけて撮影する。カメラのファインダーに入れながら追いかけて、ちょうど全身が見えたところで連射、の繰り返し。肉眼で全身が見えてからカメラを構えていては間に合わず、ずっと追いかけていないとまともに撮影できない。

飛んで移動する時に目立つ場所に上がって来て一瞬だけ静止するので、その瞬間を捉えることが出来れば写真が撮れるのだが、そううまくいかない。この動きは数年前のコノドジロムシクイに似たものを感じるが、コノドジロムシクイのほうが撮影は簡単だった。


↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月2日
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月2日
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月3日 こんな場所にずっといるので撮影は難しい。
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月3日 写真でこれでも、双眼鏡ならしっかり見える。
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月2日 飛ぶ前の一瞬を何とか捉えた
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月3日
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月2日 ファインダーに入ったらひたすら連射するのでこんな写真もよく撮れる。風切と尾羽は摩耗が激しい。「ヨーロッパ産スズメ目の識別ガイド」を参照してもあまり情報がなく、年齢や性別は全然わからず。
↑ ムジセッカ Phylloscopus fuscatus 2024年1月3日 今回の個体で一番良い写真。これもほんの一瞬だったので奇跡の一枚。しっかり写真を残せてよかった。

なお、ムジセッカはウグイスと似ていて識別を諦められがちだが、ウグイスは茶色味に乏しく尾羽が長い。また、鳴き声もちゃんと聞けば違うことがわかるはず。

↑ ウグイス Horornis diphone 参考写真。上のムジセッカと全く同じポーズではないが、色の違いと尾羽の長さはなんとなくわかるはず。

見つけたのが年末だったし、前回別の場所で見たときは越冬したので、今回も越冬するだろうと思っていたら、1月7日に知り合いが確認して以降行方がわからなくなってしまった。その後何回も確認には行ったが見つからなかったので、移動したか落鳥したかのどちらかで姿を消したようだ。一冬じっくり観察できると思っていたので、いなくなってしまったのは残念。【⇒下段追記】

勅使池は鳥目的の人が多く訪れる場所で、ムジセッカがいた場所もわかりやすい場所だったが、僕が見ている間は気づいていた人はいなかった。ムジセッカは東海地方で撮影されたであろう写真がほとんど出てこず、観察記録の少なさからど珍鳥扱いされそうだが、分布域や生息環境を考えるとそれなりに渡来はしているものの見つかっていないだけと考えるのが妥当かと思う。何より、そこまで行動範囲の広くない僕が2回も見つけているのだから。

ムジセッカを見つけるために一番大事なのは声。最初にも書いたが、よく鳴く鳥だと思うし、ウグイスと似ていると言われる声も野外で聞いたらすぐにわかったので、ちゃんと探す人が増えれば記録が増える鳥だと思う。

最近は鳥を探さない、声もわからない、観察しない撮影者が増えているが、しっかり探せばこのくらいの鳥は見つけられるので、せっかく野外に出るなら五感を研ぎ澄まして探すことに挑戦してみてはどうだろうか。

【2024年4月27日追記】
いなくなってしまったと思っていたら、3月中旬に池を歩いた際、12月末に滞在していた場所から300mほど離れた草地でムジセッカの声を聞いた。おそらく場所を変えて越冬していたのだろう。この場所は遊歩道からは見えないところが多く、近くでたまたま鳴いていないと存在に気づけず、姿を見るのもかなり難しいので、この場所に最初からいられたら写真を撮るのは難しかったと思う。

↑ 3月中旬にムジセッカの声を聞いた草地。段の奥に草地が広がっており、そこにいると全くわからないので、たまたま通りかかった時に声を聞けてよかった。


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5月下旬の上高地で生き物を探す

ありがたいことに、5月の下旬に一泊で上高地に行けることに。この時期は花も咲き出してどこを見ても楽しい時期。せっかくなので、目についた鳥と花を全部撮影する的なことをやってみることに。

初日の朝のバスは平湯のあかんだなから。当然始発だけど、上高地のバスターミナルに着くのは6時前になってしまう。この時期は朝5時くらいから鳥は見れるので、なるべく早く行きたいところだけど仕方がない。

バスターミナルに着いて、カメラと双眼鏡を引っ張り出す。山のほうからコマドリの囀りが聞こえる。過去には郵便局のすぐ隣の笹の中からコマドリの声がしていた時もあったが、今日は斜面の上の方。コマドリは探さずに先へ進むと、歩きだしてすぐに木の上から聞き覚えのある綺麗な声が聞こえてきた。目を凝らすとキバシリが木の幹をせわしなく動いている。目の前にも降りてきたけど、どんどん登って行ってしまい写真は撮れなかった。キバシリは結構囀りで気づくので、声を覚えておくと発見確率が格段に上がる。キバシリを見ている間にヒガラやコガラ、コサメビタキも目に入り、幸先の良いスタート。

河童橋に近づくと、コルリの声が山から聞こえてくる。コルリはここ数年、じわじわと上高地で確認できるようになってきた。雨上がりで穂高は霧に包まれていて、上の方だけ微かに見える。こういう景色も普段と違って良い。

↑ 霧の河童橋。iphoneで撮影。

梓川左岸のほうを歩いていくので、小梨平のほうへ。清水橋にて目の前に見える、昨年コガラが出入りを繰り返していた木の穴は、キツツキによって?3倍くらいの大きさになっていた。小梨平はキャンプ場の周りの笹が刈られていてこれではコマドリが寄り付かないなとは思ったが、これはクマが隠れる場所をなくすためなので仕方がない。目の前に降りてきたキビタキ♀などを見ながら清水川沿いに歩いていくと、ひと声だけコマドリの声がした。目を凝らすと対岸でコマドリが動いている。よく見ると2羽いて、雌雄のペアのよう。雌を見る機会のほうが少ないので、雌を頑張ってカメラで追いかける。

↑コマドリ Luscinia akahige

周りに競争相手がいないからか、ここの雄は全然囀らない。最初の一声だけしか聞けなかった。

小梨平を過ぎるとすぐに色々な花が出迎えてくれるので、耳だけは鳥の声に傾け、視線は下で先へ進んでいく。ニリンソウはたくさん花をつけているけど、太陽が出るまで花は閉じたまま。

歩いていくとコマドリの囀りが何か所かで聞こえる。全部遠いのでスルー。クロジが見れると嬉しいんだけど、全然声がしない。実はウグイスの囀りの写真が全然撮れていないので、近くで囀りが聞こえる度に探しはするのだけど、見えないものばかりで成果なし。昨年初めて認識したウスバサイシンの花を今年も見つけたけど、まだ暗かったので帰りに撮ることに。目線を足元から上げると、倒木の上にツバメオモトの良い株があったので撮影。

↑ ツバメオモト

どんどん進んでいくと、コマドリの囀りが歩道の近くから聞こえる場所があった。遠くで鳴いているものも含めると3羽が囀っている。少し待つと目立つ場所に出てきたが、長時間囀ることはなく、数回囀ってすぐに下に降りてしまった。

↑ コマドリ Luscinia akahige

普段ならここで粘るところだけど、この日は雨上がりで草に水滴がたくさんついており、乾かないうちに花びらが透けたサンカヨウを見たかったのでさらに先へ。昨年、小雨の日に上高地を歩いたのだけど、その時は全然透けていなくて悲しい思いをしたので、その時からチャンスがあればぜひ見ておきたいと思っていた。

↑ サンカヨウ 

コマドリを後回しにした甲斐があり、無事に水に濡れてガラスのように透けるサンカヨウ花びらを見ることができた。図鑑には「水に濡れると花びらが透ける」などと書いてあるが、弾いてしまうくらいの少量の水だと透けないので、正しくは「花びらがずぶ濡れになると透ける」である。ちなみに、白い部分が見えないくらいに透けている写真も見るので、これでもまだまだなようだ。

目的は達成したので、先ほどコマドリを見た場所に戻る。逆光ながらさっきよりも近い距離で長時間囀る個体を見ることができた。この個体はどうも先ほどとは別個体のようだ。

↑ コマドリ Luscinia akahige 上記の個体より胸の黒い帯が薄い

ここで囀っているコマドリを見ていたら、カラ類がわちゃわちゃしているような声。近くを探すとキバシリを発見。よく見ると虫をくわえていったり来たりしているので、どうやら雛がいるよう。親が飛んで行った先を探すと…

↑ キバシリ Certhia familiaris 虫をくわえて目の前の木を駆け抜けていった
↑ キバシリ Certhia familiaris 巣立ち雛!団子になっていた。

なんと巣立ち雛も見ることができた。キバシリの巣立ち雛は初めて見る。今日巣立ったのか?という幼さで、二羽で団子になっていた。巣立ったばかりでもしっかり”キバシリ”で、しっかり木の幹を移動していた。まだ短い尾羽で体を支える姿が何ともかわいかった。

この雛の親はこの場所でずっと餌を捕っては運んでを繰り返していたため、コマドリを見ながらキバシリも目の前をうろうろしている贅沢な時間だった。相変わらず動きは速いのでなかなか写真が撮れないけど、それでも普段よりはだいぶまともな写真が撮れたと思う。ちなみに、雛は奥の方にいたけど、親は歩道の近くまで餌を捕りに来ていた。

↑ キバシリ Certhia familiaris

キバシリの行動範囲が変わってきたところで早朝に見たコマドリに戻る。歩いて10秒。囀ってはいるのだけど、なかなか一定の場所で囀らない、コマドリらしからぬ?行動でいつもより手ごわい。近くには出てきてくれるので、見えるところに出てきたらひたすら連射。待っているといきなり目の前に出てきて鳴き始めるので、それが面白くて居座ってしまう。

↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige 出てきたけど長くは止まっていてくれない。

10時くらいまでは割と高い頻度で姿を現してくれた。コマドリは日が昇って来てもまだまだ姿を見せていたけれど、日光が強すぎて被写体が光ってしまったり背景が明るくなって難しかったりするので、コマドリは置いておいてまだ行ったことのない徳沢まで歩きに行くことにする。

上高地は鳥が多いほうだけども、この時間になるとそんなに期待できないので花を探しながらのハイキング。RF100-500も持ってきたけど、替えるのがめんどくさかったので500mmF4のままで花も撮ることにした。

ニリンソウ、サンカヨウ、ツバメオモト等が咲いているのを撮りながら歩く。ハシリドコロやラショウモンカズラは咲き始め。ホンシャクナゲも咲き始めだったけれど、ピンク色がとても鮮やかだった。こんなに鮮やかな色をしているのは今まで見たことがない。咲き始めくらいが一番鮮やかなようだ。

↑ ツバメオモト 途中、たくさん咲いている場所がある。かっこよく撮れた。

↑ ホンシャクナゲ。少し高い所に咲いているので望遠がちょうど良い。
↑ オオタチツボスミレ。一か所に固まって咲いていた。
↑ ニリンソウ。歩道沿いのいたるところに咲いている。ピーク~やや終盤のよう。

これまで20回くらいは上高地に来ているけれど、明神より先には行ったことがなかったのでそこから先は初めての景色。ニリンソウが延々と道沿いに咲いている場所があったり、明神より手前ではあまり見ないオオバキスミレが咲いていたり、6月になるとベニバナイチヤクソウが咲いて見事であろう場所があったり。ただまあ少し違うだけで、基本的には明神までと変わらない気がした。季節が違うとまた違うのかもしれない。

↑ オオバキスミレ。明神より前ではほとんど見ない。
↑ ニリンソウ 緑が入った花に人が集まっていた。

鳥のほうはミソサザイやカワガラスがいたりコマドリの声が遠くから聞こえたりするくらいで、予想通り収穫なし。重いカメラを担いでやっとの思いで徳沢まで。

徳沢はニリンソウの群生が有名だけど、見た感じパッとしない。これなら道中か明神の手前で十分だと思った。休憩も兼ねてソフトクリームを食べながらアオチドリを探していたら植え込みみたいな場所で発見。これが見れただけでも来た甲斐はあったかな。でも自生なんだろうか…笑。

↑ アオチドリ

しばらく休憩して河童橋方面に戻ることに。徳沢を出る時にクロジの囀りを聞いた。

来た道をせっせと引き返していると、歩道にできた水たまりにカラ類が降りてきていた。見ているとコガラとヒガラとシジュウカラが周りにいて、次々に降りてくる。珍しくゴジュウカラも混ざっていて嬉しい。歩道の真ん中なので当然人が歩いてくるけど、かなり近づくまで逃げないし、耐えきれずに逃げてもすぐに戻って来て水浴びをしていた。

↑ コガラ Poecile montanus 
↑ ゴジュウカラ Sitta europaea とシジュウカラ  Parus minor とヒガラ Periparus ater
↑ ゴジュウカラ Sitta europaea の水浴び
↑ シジュウカラ  Parus minor とヒガラ Periparus ater

カラ類の水浴びを最後まで見てから先へ。今度は越冬明けのキベリタテハが姿を見せてくれた。夏から秋に発生する成虫はその名のとおり翅の縁の黄色がきれいなタテハチョウ。成虫で越冬し、越冬明けは写真のように黄色が退色して白くなるので、”シロベリタテハ”なんて呼ばれたりする。

↑ キベリタテハ Nymphalis antiopa 河童橋の周辺でもよく見られる。

徳沢~明神の3kmの道のりで写真に撮ったのはこれくらい。再び午前中のコマドリの場所に戻り、コマドリが出てくるのを待ちながら休憩。この場所のコマドリは朝と変わらず定期的に姿を見せてくれた。また、ウグイスが近くで枝移りをしながらずっと囀っていたのも嬉しい。囀っているウグイスの写真がこれまであまり撮れていなかったので、ありがたく撮らせてもらった。

↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige 尾羽を広げてくれたけど逆向き…。コマドリが向いている方向からは確かに他の個体の囀りが聞こえていたけど、かなり遠くから。この行動の対象はその個体なんだろうか?
↑ ウグイス Horornis diphone ずっと囀っていてくれたので良い感じに撮れた。

コマドリは一通り撮ったし、同じ場所に出てきて囀りを繰り替えすだけだったので、早めに切り上げて宿に向かうことに。帰り道も足元に注意しながら歩いていたら、朝は見つけられなかった花も見つけた。

↑ ツルシキミ
↑ ウスバサイシン カンアオイの仲間。根元に特徴的な花が咲いている。朝は暗かったのでスルーしたが、夕方には花にちょうど西日が当たって見やすかった。

やはりゴーヨンを持って河童橋~徳沢の往復13kmはなかなか疲れる。小梨平までやっとの思いで戻ってきて、早朝にコマドリを見た場所で休憩していたら、♂がひょこっと姿を現した。写真は撮らせてくれたけど、やはりこの個体は全く囀らない。朝の一声で気づいていなかったら、この場所にコマドリがいることにも気付かなかっただろう。

↑ コマドリ Luscinia akahige 

17時前になると残っているのは宿泊の人だけになるので、静かな上高地を楽しめる。が、翌日も早朝から歩き回る予定なので楽しむ余裕はなく、さっさとお風呂に入ってご飯を食べていらない写真を消して(撮りすぎた)就寝。本当はもっとゆっくりしたいのだけど、今回は目的が生き物なので仕方がない。


翌日は4時頃に起床。7時間くらいは寝れたはず。軽く食べ物を口に入れて準備をして早速外へ。鳥に関しては昨日だいたい撮ったので、特にこれといった狙いは無いのだけど、せっかくなのでコマドリの場所に行くことに。

昨日とは違い、姿が見れそうな距離でクロジが囀っている。頑張って探してみたけど、飛び去る姿を双眼鏡で見ただけだった。

昨日と同じ道を歩いている途中、ニホンザルの群れとすれ違い、子連れの親も何頭か確認できた。上高地はニホンザルが多く、食べ物を奪ったりするわけでもなく人に無関心という感じで、害なく観察できるのは良いところ。ただし、糞がかなり落ちていて、しかも結構臭いので、踏まないように気を付けて歩かないと泣きを見ることになる笑。

↑ ニホンザル。まだ小さい個体。

今日は寄り道せずコマドリの場所までやってきたが、あまり声が聞こえてこない。囀りが聞こえても一声二声鳴くだけで、すぐに鳴き止んでしまう。知らぬ間に枯れ木の先端に止まっていたのを見つけた時も、何故かじっとしているだけで全く囀らなかった。そんな中、ミソサザイが移動しながら元気に囀っていて、少し遠かったけど写真が撮れる場所にもやって来てくれた。また、昨日は目立たなかったオオルリの声が高い所から聞こえる。コマドリを待っていると何度か低い場所に降りてきて、囀りながら虫を獲る。綺麗な青をしっかり見せてくれた。上高地でオオルリがしっかり見えるのは幸運かも。

↑ コマドリ Luscinia akahige こんなところに出てきてじっとしているだけ。
↑ ミソサザイ Troglodytes troglodytes 上高地で良い写真を撮るのは意外に難しい。
↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana
↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana

ミソサザイやオオルリを見て楽しんでいるうちに日が登ってきて、やっとコマドリが囀りを披露してくれるようになる。昨日と同じソングポストで囀ったり羽繕いをしたり、いきなり目の前に出てきたりして面白かった。どうやら早朝が良いとは限らないらしい。

↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige
↑ コマドリ Luscinia akahige 至近距離で声が聞こえたと思ったら目の前の枝に出てきた。

宿の朝ごはんの時間が迫ってきたので、河童橋方面へ戻ることに。コマドリは至近距離に出てきて囀ってはくれなかったのが心残りだけど、一か所でいろんな鳥を十分楽しむことが出来た。

戻る途中、森の奥の倒木にアカハラが止まっているのを見つけた。田代湿原の周りではそこそこ見られるけど、河童橋より上流ではあまり見る機会がない鳥。また、アカハラを見て少し歩いた場所でフクロウがゴロスケホッホと2声鳴くのを聞く。上高地では初めて聞いたので嬉しい収穫。

↑ アカハラ Turdus chrysolaus 口が開いているけど、囀っていたわけではなく地鳴き。

宿に戻りゆっくり朝ごはんを食べて、準備をしてチェックアウト。チェックアウト後も荷物は宿に置かせてもらえる。チェックアウト後も歩き回る予定だったけど、昨日の疲れが足に残っていたので、レンズを軽い100-500に付け替えて河童橋の周りをうろうろすることした。

というわけでこれ以降はR5とRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMで撮影した写真です。

まずは昨日行けていない岳沢湿原のほうへ。相変わらずここにはオシドリがいる。岳沢で見る魚はカワマス。外来種だけど、どんな経緯で上高地に入ってきたのやら。昨日までは苦労したウグイスが今日は目の前で囀っていた。

↑ カワマス だと思う。アメリカ原産。
↑ ウグイス Horornis diphone 目の前で囀りを披露。岳沢は人が多いから人慣れしているのかも。

特に目的があったわけではなく、湿原を見に行っただけなのですぐにUターン。木道が終わった場所でコルリが大きな声を響かせていたのでちょっと探してみたら、何とか姿を発見。しかし顔が見えずお腹だけ。これではオオルリと言われてしまう笑。同じ場所でキビタキとコサメビタキもうろうろ。キビタキだけが一瞬目の前に来てくれた。せっかく100-500をつけているので、河童橋に戻るまでに足元のスミレも撮影。

↑ コルリ Larvivora cyane お腹しかみえなかった…
↑ キビタキ Ficedula narcissina 
↑ オオタチツボスミレ
↑ ツボスミレ

まだ昼前ということで、河童橋を渡って小梨平を散策。いつもワサビの花を見る場所に行くと変わらず咲いてる。以前より少し勢いが減っただろうか。その上ではキセキレイが枝に止まってしばらく鳴いていた。小梨平は可憐な花が多く、植物好きな人は小梨平だけで一日過ごせるのではないかと思うほど。昼が近く鳥が動かない時間だし、時間もなくてあまり通りまでは行けないので花をたくさん撮影してきた。コマドリの声は全く聞こえず。

↑ ワサビ
↑ キセキレイ Motacilla cinerea
↑ キジムシロにハナカミキリの仲間。花びらを食べていた。
↑ エゾムラサキ
↑ ラショウモンカズラ 5月末は咲き始め。
↑ ハクサンハタザオ 
↑ クルマバツクバネソウ 
↑ クルマバツクバネソウ ニリンソウの中でスポットライトを浴びて綺麗だった。
↑ ハクサンハタザオの群生
↑ コチャルメルソウ 
↑ シロバナエンレイソウ 
↑ エンレイソウ
↑ コミヤマカタバミ 
↑ ツルネコノメソウ 
↑ ズダヤクシュとコミヤマカタバミとツルネコノメソウ
↑ クリンユキフデ 咲き始め。
↑ タチツボスミレ
↑ フデリンドウ。撮り方がわからん。

昼過ぎに日帰り温泉に入りに梓川右岸を少し下る。上高地は温泉に入れる場所が少なく、日帰り入浴でもべらぼうに高い笑。温泉に浸かって疲労が溜まった足を休めようと思ったけど、暑めのお湯だったので長く浸かるのはしんどかった。

温泉から出た後はバスターミナルに向かうため再び河童橋方面へ歩く。梓川の綺麗な水で水浴びをしているマガモを発見。羽ばたくのを待っていたらちゃんと羽ばたいてくれたけど後ろ向き。まあ翼鏡が見えたから良いか。それにしても水がきれい。

この辺りはアオジが多く、昼間にもかかわらず多くの囀りが聞こえた。数が多いと警戒心が弱い個体もおり、目の前で撮影できた。目立っていたので、観光客もスマホを向けて撮影していた。少し奥の方だけど、クロジも囀っていたのが意外だった。こんなところにもいるんだね。

↑ マガモ Anas platyrhynchos
↑ マガモ Anas platyrhynchos
↑ マガモ Anas platyrhynchos
↑ アオジ Emberiza spodocephala

河童橋の手前で丸見えのウグイスを見て上高地生き物探しを終わることに。1日目はゴーヨン担いで29000歩、2日目は100-500をぶら下げて22000歩も歩いた。足の疲労が凄いことになったけれど、花も鳥もたくさん見ることができて満足の2日間だった。これだけたくさんの生き物が見れて涼しくて景色も良くて山歩きも楽しめる場所はそうあるものではない。上高地は行くたびに違う楽しみ方ができる凄いところ。

↑ ウグイス Horornis diphone

まとめ

〇確認した鳥(33種)

オシドリ、マガモ、イソシギ、キジバト、ツツドリ、ジュウイチ、コゲラ、キセキレイ、ビンズイ、カワガラス、ミソサザイ、ルリビタキ、アカハラ、コマドリs9m3f1、コルリs1m1、キビタキs4f1、オオルリs3m1、コサメビタキ、ウグイス、メボソムシクイ、センダイムシクイ、エゾムシクイ、エナガ、ヒガラ、コガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アオジ、クロジs4、カケス、ハシブトガラス、フクロウ

〇確認した花

エンレイソウ、シロバナエンレイソウ、ニリンソウ、ヤマエンゴサク、フッキソウ、ラショウモンカズラ、コチャルメルソウ、コミヤマカタバミ、ハクサンハタザオ、ミヤマハタザオ、ツルネコノメソウ、ミヤマキケマン、ムラサキケマン、ズダヤクシュ、ツバメオモト、サンカヨウ、ツボスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、オオバキスミレ、アオチドリ、クリンユキフデ、ハシリドコロ、フデリンドウ、クルマバツクバネソウ、ワサビ、ツルシキミ、ウスバサイシン、コイワカガミ、エゾムラサキ、キジムシロ、アマドコロ、ホンシャクナゲ

〇他の生き物

カワマス?、ニホンザル、キベリタテハ、モンシロチョウ 等

↓ 昨年のものですが、動画もどうぞ!動画内でブラウントラウトとしているのはカワマスかも…


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春の渡り途中の夏鳥たち 2023.4.29

4月も中旬になると平地の緑地にも渡り途中の夏鳥がやって来て、5月上旬にかけて個体数の増減を繰り返して渡りの季節が進んでいく。個人的には、4月の中旬とGW前に個体数のピークがあると感じていて、できればその時期にしっかり観察に行きたいところ。今回の記事は4月の下旬のピーク時に観察した渡り途中の夏鳥たちの話。

4月29日。この日は曇り。朝は時折日も差しているが、夕方から雨になるらしい。

夜は南風ではあったが、晴れが2日続いたので条件は悪いと考え、そこまで期待はしていなかった。6時30分ごろ到着し、歩き始めるとジュウイチが大きな声で鳴いている。一応声のする方へ探しに行ったけど、やはり見えない。代わりに音もなくキビタキが真上に。

↑ キビタキ Ficedula narcissina

ジュウイチの声はすぐに止んでしまい、他の夏鳥の声もあまり聞こえない。静かな森で立ち尽くしていたら、”ぷちっ”と呟くような声が後ろで聞こえたような気がした。振り向いて上を見上げると、大きめの鳥が枝に止まっている。肉眼で何となくわかったが、一応双眼鏡で覗くとやはりジュウイチ!オレンジ色が綺麗な成鳥。びっくりしたけど冷静にゆっくりカメラを構える。高い所に止まっているので見上げる形にはなるが、逃げるわけでもなくじっとしている。おかげで鮮明な写真を残すことができた。

↑ ジュウイチ Hierococcyx hyperythrus

耳を澄ましながら静かな園内を歩くと、”ツィリリリ”とか”ヒヨヒヨ”という微かな地鳴きが聞こえてくる。キビタキはそこそこの数がいるようだ。特に気温が低いわけでもないのに、どうして囀らないんだろうか?そういえば、4月中旬に見た今季初のキビタキも全く声を出さない個体だった。

↑ キビタキ Ficedula narcissina

夏鳥の数はそれなりにいるものの、暗いところにいたり高いところにいたりしたりして写真が撮れる状況ではない。コサメビタキだけは元気に他の鳥の鳴き真似を混ぜて囀っている。

↑ コサメビタキ Muscicapa dauurica キビタキやメジロの鳴き真似をよくしていた

鳥は少ないけど他にいくところもないし、とふらふらずっと歩いていると、”ヒーヒー”とレンジャクの声。あたりを見回すと、レンジャクの群れが木に止まるのが見えた。急いで確認に行くも、すぐに飛んで行ってしまう。大きく飛んで行ったような気はしたが、一応飛んで行った方向を確認しに行くと、群れで木に止まって休憩中だった。

↑ ヒレンジャク Bombycilla japonica
↑ ヒレンジャク Bombycilla japonica

今年はレンジャクの当たり年と言われていたが、僕は冬の間目にすることがなかったので、4月末にして当たり年を実感することになった。しばらくヒレンジャクを見た後に再び夏鳥を探しに戻ろうと歩いていると、上空をツグミ類の群れが飛んで、行く先の森に入って行った。森の中に入ると相変わらず静かではあるが、先ほどよりもキビタキが目につく。朝は確認できなかった場所で追いかけあいをしていたり、目の前にいきなり現れてじっとしている個体もいた。アカハラも朝は見なかったが、先ほど見た群れなのか林内でか細い地鳴きが聞こえるようになっていた。

↑ キビタキFicedula narcissina
↑ キビタキ Ficedula narcissina
↑ アカハラ Turdus chrysolaus

朝とは状況が変わり、一日この場所で粘る価値を感じたので林内でじっと待っていると、ハト大の鳥がヒヨドリに追いかけられながら飛んできて木の上の方に止まった。かなり葉っぱに隠れているが何とか見えそうだったので双眼鏡で覗いたら、黒い瞳に黄色いアイリング、細めの嘴、鷹斑のような縦斑と、ジュウイチの若い個体。あれ?早朝に観察したジュウイチは成鳥だったような…、と一応写真を確認したらやはり別個体。今日は2羽のジュウイチがこの場所で羽を休めていたようだ。(ヒヨドリはジュウイチをタカと認識してモビングしていたのか?)

そのすぐ後にオオルリが水場に降りてきてしばらく水浴び。雌も一緒に来てくれて嬉しい。ここまでオオルリの気配は全くしなかったので、あれ?いたの?という感じ。

↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana
↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana 雌雄で水浴びに来た。

水浴びタイムが終わるとしばらく何も来なくなるので再び歩き回って鳥を探す。キビタキは相変わらず低い場所にいる個体が多く、こちらが工夫して近づいた結果だが、目の前5mほどでじっと動かない綺麗な雄にも遭遇。暗い場所が多かったものの、じっくりシャッターを押すことができた。

↑ キビタキ Ficedula narcissina
↑ キビタキ Ficedula narcissina
↑ キビタキ Ficedula narcissina
↑ キビタキ Ficedula narcissina

目の前のキビタキが飛んで行った直後に背後からオオルリの囀りが聞こえる。ゆっくり近づいて探すと目の前で囀っていた。朝は全く声を聞かなかったのに…。

↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana

この日オオルリの囀りが聞こえたのはこの時だけだったが、少しだけ低いところで採餌している個体にも遭遇。散歩の人が来て飛んで行ってしまったけど、綺麗な青を写すことができた。

↑ オオルリ Cyanoptila cyanomelana

このままずっと歩き回っていればキビタキの写真は無限に撮れそうだったけれど、予報より少し早く雨粒が落ちてきた。すると一斉にアマガエルが鳴きだし、声の方向からしてどうも木の上で鳴いている感じだったので、探すとビンゴ。めいのうを膨らませて元気に鳴いていた。

↑ 二ホンアマガエル (ゴーヨンで無理やり撮影) 

雨が降ってきたのでこれでこの日はおしまい。いつもは朝のほうが鳥を見れるし写真も撮れるのだけど、今日は珍しく昼前後のほうが鳥が多かった。明るい時間に渡っている鳥が休憩に一斉に降りてきたとかあるのだろうか?日本海側の公園だとあるようだけど。

それでも、早朝から見ていたおかげでジュウイチの写真を撮ることができたし、一日を通した鳥の変化も感じることができたし、写真も一日で撮れたものとしては十分すぎる成果。早起きしてよかったと思った渡りの時期の一日だった。

2023年4月29日 東海地方 6:00~13:40

カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、キジバト、ツバメ、カワセミ2、ビンズイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、モズ、クロツグミm1、アカハラ、キビタキm9f1、オオルリm3f2、コサメビタキ、エゾムシクイ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ドバト、ジュウイチ2、ヒレンジャク18


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金華山のタカの渡り 2022.10.30

10月最後の観察。今日は風が収まりのんびり観察できることを期待。願わくば真上をノスリが流れる時間があればいいのだけど。


金華山 2022年10月30日 7:00~15:10 晴れ後快晴

7時台 渡り無し

8時台 ノスリ1 ツミ3 ハイタカ東2

9時台 ノスリ6 ツミ6 ハイタカ1東2 オオタカ1 

10時台 ノスリ8 ツミ1 ハイタカ東1

11時台 ノスリ1 ツミ8 ハイタカ東3 ハイタカsp.東1

12時台 ノスリ2 ツミ3 ハイタカ1東2

13時台 ノスリ6 ツミ3 ハイタカ東1 オオタカ1

14時台 ツミ2 ハイタカ東1 

15時台 ノスリ2


合計 ノスリ26 ツミ26 オオタカ2 ハイタカ2東12 ハイタカsp.東1 計56東13


今日も寒い朝だが、風は収まり日に当たれば過ごし易い。展望台に着いた直後は恒例の小鳥探し。今日はアオジとは違う「チッ」の声に空を見上げると運よく声の主の姿が目に入った。頑張って写真を撮って確認するとクロジの♂。きっと既にたくさん渡ってきているんだろうけど、認識したのは今季初。その後も同じ声が何度か聞こえた。

8時半前後からタカが渡り始めるが、ハイタカ属が中心。ツミは朝から高く、東行きのハイタカは北側を通って行く。今日最初の真上通過はオオタカ成鳥。低く通過してくれた。最近見るオオタカは幼鳥ばっかりだったので、綺麗な成鳥が見られて嬉しい。その後、ノスリも4羽の群れでゆっくり渡る。それに負けじと?ツミも4羽の群れで現れ、あとから合流した1羽のノスリと一緒に高く流れていった。

9時半~10時半までは単発でノスリが渡っていたが、それ以外の時間はツミとハイタカが多い。写真が撮れるほど近いものはさすがに少ないが、真上に現れ先に旋回していたトビと一緒に回ったハイタカは近かった。このトビに絡んでいたけど、このハイタカは周辺で越冬するわけでもないのに絡まれたトビが少し気の毒(笑)。間近で旋回してくれてとても良かったのだけど、喉が血で赤く染まっていて、その割にそのうが膨らんでいないのが気になった。

流れていくツミを見ている時、渡る小鳥の群れが視界に入ったと思ったら、見ていたツミが急にその小鳥の群れに突撃!その後何事もなく流れて行ったので、狩りには失敗したようだけど、渡っている途中に狩りをするツミは初めて見た。あんな感じでツミやハイタカは狩りをしながら渡っているのだろう。

午後も退屈はしない程度にぽつぽつとタカが来る。午前中はまだ雲があったが、次第に快晴の空に。高く流れてくるとこれではもう見つけられない。まだ肉眼で分かる高度でやってきたタカも定点でどんどん高度を上げ、双眼鏡でも厳しい高さまで上がり、追うのに苦労した。ただ、東行きのハイタカは比較的低く来てくれて、急に現れるその姿に何度も沸いた。

結局ノスリの数が増えることはなく、タカの渡りシーズンの終わりを感じて後片付けをしていると、ノスリ2羽が上空に。この2羽も肉眼では見えない高さまでどんどん上がっていく。首が痛くなったけれど、個人的には10月最後のノスリになるので、しっかり双眼鏡で追いかけ、流れていくのを大事に見送り、観察を終えた。

数を集計するとノスリよりハイタカ属のほうが多い結果に。ツミとハイタカ両方が多いことは金華山ではそんなにないので、識別の良い練習になった。気候もちょうど良く、のんびり気分よくタカを待つことができる良い一日だった。

個人的にはこれで今シーズンのタカの渡りは一区切り。今年もたくさんタカを見送ることができて良かった。まとめはまたの機会に。

他、ヒヨドリ5、イカル30羽の群れで渡る、カワラヒワの渡りが好調。ヒバリの声も。ジョウビタキも展望台周辺に雌雄が姿を見せた。


↑ クロジ Emberiza variabilis 上空のエンベリを撮ったらクロジだった
↑ イカル Eophona personata の群れが飛び回る
↑ ハイタカ Accipiter nisus 北側を東へ向かう
↑ オオタカ Accipiter gentilis 正面で旋回していた個体が頭上を一直線。オオタカはかっこいい。
↑ ハイタカ Accipiter nisus
↑ トビ Milvus migrans に突っかかるハイタカ Accipiter nisus
↑ ジョウビタキ Phoenicurus auroreus 雌


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金華山のタカの渡り 2022.10.29

今日こそはたくさん見られますよう。また、今日は風がある予報なので、近いタカが見られることに期待!


金華山 2022年10月29日 7:00~15:30 快晴

7時台 渡り無し

8時台 ノスリ8 ハイタカ1

9時台 ノスリ49 ツミ1 ハイタカ東1 ミサゴ1 

10時台 ノスリ36 ツミ2 ハイタカ2東1

11時台 ノスリ10 ツミ4 ハイタカ1東1 オオタカ1

12時台 ノスリ20 ツミ1 ハイタカ1

13時台 ノスリ44 ハイタカ1東2 ハイタカsp.2

14時台 ノスリ20 ツミ2 

15時台 ノスリ1 ハイタカ1 ハイタカsp.東1


合計 ノスリ188 ツミ10 オオタカ1 ハイタカ7東5 ハイタカsp.2東1 ミサゴ1 計209東6


今日もこの時期らしい冷え込みで、さらに風があり一段と寒い。昨日と同様、冬鳥の声が空から降ってくる。その中にリュウキュウサンショウクイの声も。どうも近くの木に止まっているようだったが、姿は見つけられなかった。観察準備を終えると西からハヤブサ2羽が羽ばたきながらやってくる。そのうが膨らんでいたので、ペアで朝ごはんを終えて戻ってきたようだ。

朝から北西の風があったので、早くからタカが出るかと思ったが、出だしが早いことは特になく、8時30分ごろからノスリが渡り始める。最初の一羽こそ低く頭上を通過していったものの、その後は風に流され南側の逆光になる位置が中心。今期はこのパターンが多く少々不満。また、風が強いわりに高いものが多く、今日も快晴の空に溶け込んでしまい見にくい時間が続く。10時前には真上を通過した6羽をカウントした後に、背後でタカ柱が出来ていて、これを数えると20羽。頭上を通過したものをかなり見逃しているようだ。この群れは順光でしばらく旋回してくれて、とても綺麗だった。今期はノスリの綺麗なタカ柱を見れていなかったので嬉しい。

その後は1~5羽程度がぽつぽつ出る、ノスリらしい渡り。ただし、北側、真上、南側広く渡り、探す範囲が広く大変。途中、リュウキュウサンショウクイの声に目を凝らして何とか姿を確認したり、初認のタヒバリの声を確認。アトリの群れもタカを探していると目に入るが、例年より群れの規模が小さい印象。

午前中で何とかノスリ3桁に到達し、まあ今日はこんなものか、昼からは数ではなくて近いタカに期待しよう、と構えていたら、13時前からも同じペースでノスリが渡って行く。しかも午前中よりも近いものが多く、青い空を背景に綺麗なノスリを堪能できた。ツミ、ハイタカも近いものを交えちらほら飛び嬉しい。どちらも綺麗な♂が低く飛んでくれたのが良かった。

午後からの数は午前中とほぼ同数となり、一日中同じペースの渡りを楽しめた。風が強いせいでのんびり観察といった雰囲気ではなかったものの、まとまったノスリの渡りを楽しめて満足。

今日のヒヨドリの渡りは3羽と6羽の計9羽。それと、風が強いおかげかメジロが渡って行く姿がよく目に入った(一応数えて55羽。声だけした時もあったのでもっと渡っている)。


↑ ノスリ Buteo buteo
↑ ノスリ Buteo buteo
↑ ノスリ Buteo buteo
↑ ノスリ Buteo buteo のタカ柱 風が強かったのでばらけ気味だったけど綺麗だった
↑ ツミ Accipiter gularis 幼鳥
↑ ツミ Accipiter gularis 雄成鳥
↑ ツミ Accipiter gularis 幼鳥
↑ オオタカ Accipiter gentilis 幼鳥 今年は近くに来てくれるオオタカが多い
↑ ノスリ Buteo buteo
↑ ノスリ Buteo buteo
↑ ハイタカ Accipiter nisus
↑ ハイタカ Accipiter nisus 雄成鳥


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金華山のタカの渡り 2022.10.28

タカの渡りも終盤。ノスリのまとまった渡りも見納めが近い。


金華山 2022年10月28日 7:20~15:30 快晴

7時台 渡り無し

8時台 渡り無し

9時台 ノスリ2 ハイタカ1東2 

10時台 ノスリ21 ツミ2

11時台 ノスリ6 ツミ1

12時台 渡り無し

13時台 ノスリ10

14時台 ノスリ25

15時台 渡り無し


合計 ノスリ64 ツミ3 ハイタカ1東2 計68東2


快晴で冷え込む。良く晴れて日差しが届いても、観察には上着が必要。ヒヨドリの渡りがすっかり見られなくなり、20羽程の一群れを観察した以外は渡りといえるような動きは観察できなかった。代わりに冬鳥は着々と到着しているようで、カシラダカの声は相変わらず空から降ってくるし、アオジやウグイスの声も良く聞こえる。

タカは思ったより低調で、おまけに高い。ノスリが飛び始める前にツミとハイタカをいくつか見たが、すぐに青空に溶け込んでしまいどこに行ったか分からない個体が少なくとも3羽。10時過ぎからノスリが数羽ずつ渡り始めるが、これも高くて、旋回してから流れだすところは何とか双眼鏡で見えるのだけれど、真上に来ると全然わからなくなる。

こんな日はいくら目を凝らしても見つからないので、真っ青な青空の中を双眼鏡を振って探す。するといきなり近くにノスリが現れてびっくり。低いところは油断していたので気づくのが遅れる。おまけに高空には何も見つからない。

14時までは単独あるいは数羽ずつのペースで数が伸びなかったが、14時を過ぎるとノスリが少しまとまって現れた。正面に10羽程がばらけて高くタカ柱を作るが、柱の天辺は双眼鏡でもギリギリの高さで、あまり見た気はしない。夕方はもう少し来るかなとも思ったが、結局14時台を最後に渡り個体は確認できなった。

今日は今季一番タカが見づらい日だった。曇よりは快晴のほうが良いのだけど、こうも高いものばかりだと探すのが大変。もう少し低く飛んでくれないかな~。

他、ジョウビタキ雌がしばらく付近で虫を捕っていた。ヒバリ複数の声を確認。


↑ ノスリ Buteo buteo 近めの写真が一枚残っただけでもありがたい。
↑ ジョウビタキ Phoenicurus auroreus 雌 ハート形の南京錠とコラボ笑


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金華山のタカの渡り 2022.10.23

今日も数には期待できないけど、天気は良いので近いタカが来てくれれば。


金華山 2022年10月23日 7:30~15:30 晴後快晴

7時台 渡り無し

8時台 ツミ3

9時台 ノスリ11 ツミ1 ハイタカ1東9 オオタカ1 

10時台 ノスリ15 ツミ2 ハイタカ1東1 ハイタカsp.東5 

11時台 ノスリ1 ハイタカ東2 ハイタカsp.1東2

12時台 ノスリ5 ツミ2 ハイタカ1東2 オオタカ1

13時台 ツミ4 ハイタカ1 ハイタカsp.東1

14時台 ノスリ6 ハイタカ東4

15時台 ノスリ2 ハイタカ東1


合計 ノスリ41 ツミ12 ハイタカ4東19 ハイタカsp.東8 オオタカ2 計59東27


ようやく展望台でジョウビタキを初認。近年国内でのジョウビタキの繁殖個体が増えているが、金華山でのジョウビタキの初認日は10月20日前後で安定している。

タカの通過は9時ごろからで、ハイタカの東行きが好調。一度に複数羽が現れることもあり、どちらに渡るのか、ハイタカなのかツミなのかの識別に忙しい。双眼鏡で確認できたのが遠い後ろ姿だけという事態が多発し、ハイタカsp.としたものが多かった。東に行ったのはほとんどハイタカだろうけど。これをしっかり識別しきるにはあと5人くらいハイタカ属の識別に長けた観察者が必要。

ノスリはポツリポツリで長く続かず数が伸びないが、青空の下少しは近くに来てくれて、写真撮影が楽しめる。

午後になると少し風が出て、ハイタカ東行きが近くに現れるように。もっとも、ほとんどが頭を風が来る北に向けているので、気づいたときには後ろ向きなのだけれど。その中で、展望台より低いところに現れ、数回旋回しただけで一気に高度を上げたハイタカの幼鳥が見事だった。

夕方には尾羽のないトビが旋回。先日は尾羽のないハチクマが渡ったが、尾羽が抜ける原因は似たようなものなのだろうか。

この土日もタカが見れない天気ではなかったが、北海道からノスリが渡ってこれていないことがよくわかる数の出方だった。今年のノスリの渡りは150羽程をのんびり楽しめるノスリならではの当たり日に当たっていないので、あまり満喫できていない。来週はそんな日があるといいなあ。

ヒヨドリ渡り80羽。


↑ ノスリ Buteo buteo 幼鳥
↑ オオタカ Accipiter gentilis 幼鳥 茶色味に乏しいし、なんだか華奢に見えた
↑ ハイタカ Accipiter nisus 幼鳥 目線下に現れたと思ったら、一気に高度を上げた
↑ チョウゲンボウ Falco tinnunculus
↑ ハイタカ Accipiter nisus


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金華山のタカの渡り 2022.10.22

今日は天気的にも、上流の状況からもあまり期待できない日。どうやって過ごそうか。


金華山 2022年10月22日 7:30~14:30 曇時々晴

7時台 渡り無し

8時台 渡り無し

9時台 ハイタカ東1 ミサゴ 

10時台 渡り無し 

11時台 ノスリ2 ツミ2

12時台 ノスリ1 ハイタカ東6 ハイタカsp.東1

13時台 渡り無し

14時台 渡り無し


合計 ノスリ3 ツミ2 ハイタカ東6 ハイタカsp.東1 ミサゴ1 計6東7


曇の予報だが、朝は晴れ間も見える。今日はタカの渡りには全く期待していないが、金華山で観察することが義務と化しているので観察へ。どうやって暇をつぶそうか悩ましい。

するとすぐにアオバトがどんぐりがたわわに実った近くの枝に止まり、長時間じっとしていてくれる。日に当たる緑色が美しい。その時間にミサゴが近くを通り過ぎて行き、アオバトが少しだけ警戒していたのが面白かった。

今日も色々な小鳥が上空を渡っているようで、リュウキュウサンショウクイ、カシラダカ、アオジ、ヒバリ、アトリ、イカル、ビンズイ等の声が聞こえてくる。目を凝らすとちらほら姿も見える。「ツィー」というツグミ類の声に空を見上げると2羽の姿が。2羽で声が違っているようにも聞こえる。必死に写真を撮って確認すると、シロハラとマミチャジナイのようだった。マミチャジナイのほうが弱い声だったけれど、単独で鳴いている時に気づけるかどうか…。

また、声が聞こえれば正体がわかるのだが、静かに渡って行く小鳥も群れもいくつか。写真に撮るとカワラヒワが混ざっているのが分かったけれど、そのほかは不明だった(ニュウナイスズメのようにも見えるが、不鮮明でわからない)。

お昼にはイカルが4羽でやって来て、朝アオバトが止まっていた木と同じ木に。しばらくこの木で何かを食べていて、じっくり見ることができた。このイカルを見ていると、短時間の間にばたばたっとハイタカの東行きが現れるが、タカはそれでおしまい。

タカの渡りは案の定低調だったが、小鳥が思いの外面白く、今日も来た甲斐のある一日だった。タカの種と数が11月のようになってしまったが、ノスリはまだまだ続くはず。上流の状況から見て、明日も期待はできないので、来週はのんびり頭上を流れていくノスリたちをながめたいものだ。

ヒヨドリの渡りは合計40羽ほどのみ。


↑ アオバト Treron sieboldii
↑ ビンズイ Anthus hodgsoni
↑ イカル Eophona personata


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金華山のタカの渡り 2022.10.16

昨日は夕方にたくさん飛んできたので、その流れで今日もたくさん見られることを期待!


金華山 2022年10月16日 7:10~16:10 晴時々曇

7時台 ミサゴ1

8時台 ノスリ8 ツミ6

9時台 ノスリ115 ツミ15 

10時台 ハチクマ3 ノスリ121 ツミ6 オオタカ1 

11時台 ノスリ72 ツミ4 ハイタカ東1 ハイタカsp.1

12時台 ハチクマ1 ノスリ40 ツミ1

13時台 ノスリ33 ハイタカ1 小型不明1

14時台 ノスリ23 ミサゴ1

15時台 渡り無し

16時台 ノスリ2 オオタカ1


合計 ハチクマ4 ノスリ414 ツミ32 オオタカ2 ハイタカ1東1 ハイタカsp.1 小型不明1 ミサゴ2 計457東1


朝は雲の多い空。昨日よりもさらにヒヨドリの渡りが下火になり、群れの規模が小さくなった。大型ツグミの仲間が展望台の前を横切ったので、必死に写真を撮ったらシロハラ。今日は渡りの小鳥の動きは控えめだけど、着々と冬鳥が到着している。

朝早い時間はツミが好調。9時過ぎは数羽ずつがひっきりなしに渡って行った。ノスリが本格化したのは9時半ごろからで、こちらも数羽ずつの渡りがしばらく続いた後、赤白鉄塔の奥にタカ柱。ノスリの大きなタカ柱はなかなか見られないので嬉しい。一つの群れが一気に来るというよりは、タカ柱から数羽ずつがほどけてずっと流れていく感じ。10時前後の20分ほどで100羽以上のノスリが渡って行った。流れがまた南側に偏り逆光だったけれど、一定のコースを流れていくのでカウントはしやすく楽しかった。

その後も15~30羽ほどの群れを交えて、一日中数羽の群れが渡って行き退屈しない。たまにハチクマが混ざるので、一応一羽一羽しっかり確認する。ハチクマは全て幼鳥だった。ハイタカの東行きは11時半ごろだったが遠くてじっくり観察できなかった。

結局、一日数えた結果はノスリだけで400羽超え。近いタカはほとんどおらず、写真はあまり撮影できない日だったけれど、規模の大きな迫力のあるノスリの渡りと、一日中小群が渡るのんびりしたノスリの渡りの両方を堪能することができてとても楽しい一日だった。雨上がりでもないのにこれだけ飛ぶのは金華山では珍しい。

ヒヨドリ240、キジバト21、アマツバメ8、カワラヒワ9、アサギマダラ1の渡りを確認。


↑ ノスリ Buteo buteo たくさん飛んだけど、タカの写真は全然撮れず。タカの渡りは数では語れない。
↑ オオタカ Accipiter gentilis
↑ 面白い雲だったから撮っておいた


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金華山のタカの渡り 2022.10.15

昨日のタカは散々だった。今日は土曜日なので観察に訪れる人も多い。ノスリにはしっかり姿を見せて欲しいところだけど…。


金華山 2022年10月15日 7:00~16:30 快晴

7時台 渡り無し

8時台 ノスリ2 ツミ4

9時台 ハチクマ1 ノスリ22 ツミ6 ミサゴ1 

10時台 ノスリ7 ツミ4 オオタカ1 

11時台 ハチクマ1 ノスリ26 ツミ3

12時台 ハチクマ1 ノスリ9

13時台 ノスリ9

14時台 ノスリ4

15時台 ハチクマ1 ノスリ59

16時台 ノスリ4


合計 ハチクマ4 ノスリ142 ツミ17 オオタカ1 ミサゴ1 計165


今日も朝から青空で天気は安心。ヒヨドリの渡りの勢いが少し落ち着いた印象。代わりに?キジバトの渡りが始まったようで、数羽ずつ飛び出していく。アマツバメも近い距離を少しの間飛び回り、かっこいい姿を観察できた。

ノスリは9時半ごろからパラパラと渡る。ノスリらしい数羽ずつの渡りだが、少し南側の逆光になるコースを通るものが中心で、少し物足りない。それでもぽつぽつとは渡るし、ツミやオオタカ、チョウゲンボウが急に至近距離に現れたりと、それなりに楽しめる。良いコースで渡るノスリが少ない中、真上を通り越した後に旋回してくれたノスリがとても綺麗で感動。

12時前後は渡りが落ち着き、お昼ご飯をゆっくり食べる。13時を回ると1羽、2羽ずつがぽつぽつ渡るようになり気が抜けない、15時前に右翼初列風切の一部が脱落して、左翼の小翼羽付近が正面から見るとボコッと変形しているようなノスリが渡った。問題なく飛べていたけれど、どこかにぶつかったりしたのだろうか?

悪くはなかったのだけど、ノスリの渡りは盛り上がることはなく、いつもの終了時刻の15時を迎える。ただ、14時台も少しは飛んでいたし、まだ飛びそうな気がしたので延長。これが大正解で、すぐに数羽ずつが真上を渡って行く。15時30分ごろには10羽程度の群れが何度か真上を良い距離で次々に流れ、薄い雲も相まって今日一番の爽快な渡りを観察できた。そのノスリの群れの中に尾羽が完全に抜けてしまったハチクマ幼鳥を発見。こちらも問題なく飛べていたが、先が思いやられる。今日は事故にあったようなタカが多い。

16時を過ぎてもぽつぽつと渡り、16時半で観察終了。15時で終えていたら不完全燃焼で終わるところだった。夕方まで観察していた人は数人で、せっかく休みで来てくれた人が爽快な渡りを見ることが出来なかったのが残念だけれど、個人的には今季初のノスリ3桁だったし、良い渡りを見ることができた。終わり良ければ総て良し、とはこのこと。夕方にまとまった渡りが見られたということは明日も期待できそう!

他、約ヒヨドリ360、キジバト29、アマツバメ6、ヒガラ7、カワラヒワ10、アサギマダラ5。


↑ キジバト Streptopelia orientalis 見慣れたこの鳥も結構な数が渡って行く
↑ アマツバメ Apus pacificus
↑ ツミ Accipiter gularis と チョウゲンボウ Falco tinnunculus のバトル
↑ チョウゲンボウ Falco tinnunculus 雄成鳥 綺麗だったけどあまりにも逆光でどうしようもなかった
↑ オオタカ Accipiter gentilis 幼鳥
↑ ツミ Accipiter gularis 幼鳥
↑ ノスリ Buteo buteo とても綺麗に見えた
↑ ハチクマ Pernis ptilorhyncus 幼鳥 と ↑ ノスリ Buteo buteo  シルエットがおかしいタカがいるのに気づいた
↑ ハチクマ Pernis ptilorhyncus 幼鳥 尾羽が抜けていた。無事に渡れるのだろうか。